◎其ノ三
譜面台

良い譜面台とはどんな物でしょうか。

使う目的にもよるでしょうが、家庭で使うのは、やはり木製のしっかりとした“倒れにくい”ものが良いと思います。これが後にも述べますが最も大切なことです。
一般に市販されている木製の譜面台は立奏用のものがほとんどでチェロには不向きです。この場合高さを調整するのは困難です。
となると、やはり金属製となりますが、時々弓をぶつけて傷を付けることがあるので注意が必要です。

◎折りたたみ式譜面台

最高級品はやはり何と言ってもヴィットナー社製の物です。とても丈夫に作られていて、長年の使用に耐えます。しかし開き方を間違えると一瞬にして一つ丸々壊してしまうのが難点です。
ヤマハなどでとても軽い製品が出ています。持ち運びには便利でしょうが、私はお勧めしません。なぜなら軽すぎて倒れやすいからです。重い楽譜を乗せると簡単に倒れてしまいます。倒すとどうなるか、分かるでしょう?。私もこの譜面台をチェロに倒され傷を付けられた苦い経験があります。少しぐらい重いのは我慢して、しっかりとした物を持ちましょう。

◎譜面台のマナー

オーケストラでの譜面台のトラブルは絶えません。譜面台の転倒による楽器の事故です。
オーケストラなどのアンサンブルで折りたたみ式譜面台を使うとき、絶対守って欲しいことがあります。
それは先程も言ったように、(こんな低レベルのこと、言うのも嫌なことですが)まずは倒さないことです。自分のためにも他人のためにも、これは最低守るべきマナーです。
そのためにまず気をつけないといけないことは、譜面台の脚を大きく開くこと。これだけでも事故はかなり防ぐことができます。
私など自分の周りに脚があまり開いていない譜面台を見つけると、開いて回ります。せめて自己防衛ぐらいはしないといけませんから。
譜面台に脚を引っかけて倒すなど言語道断です。他人の立場に立って行動する、他にもいろいろありますが、こんなことは音大で教えるべきことです。どうせ音大や芸大など、わずか四年間で大した事を教えることなど出来ないのですから、将来のため必要最低限のマナーぐらいきちんと教えるべきだと思うのですが、いかがでしょうか?  それすら出来ていないのが現状です。