其ノ十一
スイスの酒
スイスの酒で私が好きなのは“さくらんぼ”で作ったキルシュヴァッサーや“すもも”のプフラウメなどの強い蒸留酒。
ローザンヌの林峰男先生のお宅にはさくらんぼの桜の木があり毎年沢山のさくらんぼが採れます。お宅のある郊外のル・モン村には醸造所があり、さくらんぼを持ち込めばキルシュヴァッサーにしてくれるそうです。
その酒をご馳走になったことがありますが、市販の物より遥かに美味かった記憶があります。自宅で採れた物が酒になるなんてなんて贅沢なことでしょう。うらやましい限りです。
先生はお酒が本当にお強いです。ワイン通でもあり、食事に招いていただいた時にも、素晴らしいワインを惜し気もなくご馳走して頂きました。自宅でくつろいでいる時など苦よもぎでつくった強い酒アプサン(水を混ぜると白濁します)を飲んでおられるのをよく目にしました。
先生の奥様はベルギーのご出身で、この頃初めてベルギービールをご馳走になりました。
ツューリヒで住んでいた学生寮は禁酒でしたが。自分の部屋ではよく飲みました。まあ大抵はビールかワインです。
近所にスーパーがあってスイスのビールから外国のビールその他、ワイン、強い酒など何でも手に入ります。
ツューリヒで極一般的に飲まれているビールはホプフェンペルレ、カルディナル、ハルデングート、シュテルン、レーベンブロイ ツューリヒなどの銘柄。ホプフェンペルレの黒など缶ビールでも本当に美味いですね。日本のデパートでも時々見かけますがあまりの値段の高さには腰が引けます。
外国産のビールではチェコのピルナーウアクヴェルやデンマークのトゥボルグなどツューリヒでは安いのでよく飲みました。
最近ではヨーロッパでも日本酒はブームで色々な銘柄が売られています。日本の食材も同様スーパーで普通に売られています。海外で働く日本人には楽しみが増えて喜ばしい事でしょう。日本人が比較的多く住むツューリヒでも、昔は大手メーカーの日本酒を売場の片隅で、たまに見かける程度でしたし、食材も醤油だけが売られている程度でした。
つづく
Comments are closed.