今日はチェロのケースにまつわる思い出など、少しお話し致しましょう。

第1話

現在、私が使用しているケースは、ドイツ ゲヴァ社製のXライト3.9です。色は美しいホワイト。このケースはとても軽く(3・9㎏)、かつ強度も十分なのでこの5年間、気に入って使っています。アコードというわずか2・7㎏の超軽量のケースもありますが強度の面で甚だ問題があります。
私のゲヴァのケースは内装も楽器を六つの点で支えるようになっていて、楽器とケースの間に十分広い空間があるため、衝撃にも強いし楽器のニスがケースに張り付く事故も少ないのです。金具も以前のゲヴァのケースに比べると小さくなり強度も強くなりました。ケースを立てて置いても安定しています。
最近のチェロケースは品質も良くなり、値段も安くなりましたね。

そこで、ケースの安定性の話が出たついでにチェロの置き方について少し考えてみます。
しかし、そもそもケースを立てて置くことなど絶対に避けましょう!
打ち所が悪いとどんな良いケースでもネックが折れたり楽器が割れたりすることがあります。チェロはとても強い力で弦を張っているので、強い衝撃を与えると簡単に壊れてしまうのです。(チェロは張力の割には、バイオリンに比べてネックが細いのです。)今まで倒してネックを折った人を何度か見たことがあります。あー恐ろし!
やはり楽器が入っているケースは、場所を取っても、なるべく人通りのない所に、横にして置く習慣をつけましょう。
よく、プロオーケストラでも、舞台裏など人通りのある所に平気でケースを立てて置いている人を見かけますが、見ているこちらがハラハラします。なかには、ケースの蓋を開けたまま置いている人も見かけます。このように楽器を大切にしない人は、楽器を弾く資格などありません。
また、リハーサルの休憩時間などにチェロを裸で横にして置いている人も、残念ながらとても多いです。
エンドピンを出したままだと、引っかけられて楽器を壊す危険性が高くなります。今まで何度も、そんな事故を目にしてきました。
楽器は面倒でも、小まめにケースにしまいましょう。

次回は過去に使ったケースのことについてお話しします。

つづく