4月に修理と調整が完了したAnton Hoffmannのチェロもすでに完了から1ヶ月が経過し、今では弦の振動にチェロ本体も次第に馴染みつつある状態です。コンサートにおいてもとても良好な結果が得られそうな予感がしております。
元々、このチェロはとても柔らかい音質を持っていましたが、それに加え輝きが増したようです。特にA線の音色は素晴らしいものがあります。
さらに弦はEva Pirazzi Goldを張ることによって一層音色に輝きが増し、ソロ向きの音に変化しました。
エンドピンは見附精機工業社製の「トリプル」を装着しています。これを使うことによりC線の伸びも良くなり全体的に引き締まった音色になりました。
また、D線に同見附精機社製のピュアブリランテAD線用を装着することで、DG線のfとf#音に少し強めに出ていたウルフ音をeの音に移動させることができました。これで弾きやすさも向上されました。
弓はいつも使っているシェーファーよりも、もう一本のJ・プーローのような歯切れのよい音がする弓の方がこのチェロには合うような気もするのですが、これは私自身のその時のコンディションにもよるので答えは出せるものではありません。
私自身このチェロに慣れることでこの1ヶ月間悪戦苦闘を
続けてきましたが、やっと楽器自体もそれにも慣れつつあり、私が欲する音をチェロが察知してくれるまでに、調教が進んだ状態です。
このHoffmannのチェロ、大阪の教室に来られる生徒さんには見ていただきます。
この1ヶ月、ほとんど弾いていないG.Gaddaのチェロは少しふてくされて鳴る仕事をサボっています。また来月後半からこのチェロを鳴らす作業を再開しなければなりません。
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