チェロをだけでなく、なにか楽器を習っている方でこんな事ってありませんか?
上手くなりたいけど、初めに比べてほんとに上手くなっているのかどうかが、分からない。または自分がやっている事に対して自信が持てない。
私も生徒からはよくそんな相談を受けます。
まず言えることは楽器の上達など、はっきり自覚できるような形や目に見えるような形ではなかなか現れません。
でも、真面目に練習さえしていれば自分では分からなくとも他人から聴くと確実に上手くなったことがわかるものです。私など実際にレッスンで上手くなった生徒に「上手になりましたね!」などと誉めると、不信そうに「そうですかあ?」と答えが返ってくることがほとんどです。それくらい自分では分かり難いものなのです。仮に自分が上手くなったことを簡単に自覚できたら、楽器の練習などすぐに飽きてしまうでしょうね!
分からないことを色々試行錯誤しながら練習するから楽しいのです。
私はいつも思うのですが、上達したという自覚ができる瞬間とは、いかに自分が今やっていることや今やるべきことがいかに納得出来ているかどうか、これだけです。
それが出来れば自信にも繋がるのです。
具体的な方法としては今やるべきことが頭の中に箇条書きにできるかどうか。
過去にやってきたことを、頭の中に積み上げてみる。そして、いらないものは頭から捨てさる。
これらは効果的です。有能な先生にお手伝いしていただきましょう!
やるべきことが分からないという間は、糸の切れた凧のような状態、なにをやって良いのかやるべきことが分かっていない状態、方向がぶれてしまった状態、つまり弾けていない、ということになります。これはプロにも当てはまります。
それらが解決できれば誰が聴いても心惹かれる演奏となるでしょう。しかし、自分では自分の演奏は客観的には聴けない。演奏とはそんなものです。
次に、上手いとは一体どういう状態のことなのか?
大抵の方はCDなどで聴くような鮮やかな演奏をイメージしているようです。それも確かに上手い演奏だと言えるでしょう。それを目指すのも良いかも知れません。
しかし、私が感じる「上手さ」とはもっと別のところにあるのです。
これも、先ほどの自分の演奏は客観的には聴けないという話と関係していますが、
頼れるもの、それはあくまで自分の心に忠実な演奏です。
他人の演奏と同じ、CDと同じ、ではつまらないではないですか。またそれができないからと言って悩むなど、こんな寂しいことってありません。
私など、レッスンで生徒がどのように弾こうと、聴くのが楽しい。また生徒の個性が手に取るようにわかって、こんな楽しいことはありません。どんなCDにも負けません。
そして彼らの上達のお手伝いができる。
あとは、生徒の理解を促し、最良の道へと導くだけです。
全ての人は才能をもっています。そして元々「上手い」のです!
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