どの弦楽器にも性格がありますね。
声楽に当てはめるとバイオリンはソプラノ、ビオラはアルト、チェロはテノールからバリトン 、コントラバスはもちろんバス。

このことを各弦楽器の各弦にも当てはめてみます。
まず私の専門、チェロで考えてみますと、
4本の弦は低い方からbasso、tenore、canto(直訳すれば「歌声」)、cantio(小さな歌声)と呼ばれていました。
どうですか。

いろいろなファンタジーが生まれるでしょう?
私達の楽器はただひとつの声部をもつのではなく、潜在的には弦楽四重奏のミニチュア版なのです
又は楽器の中で四人の歌手がコーラスしているのですよ。何とステキな考え方でしょう!

ビバルディなどもsenza cantino(カンティーノなしで)とか有名な“四季”では e tutto sopra il canto
(すべてカントの弦で)、といった表記の仕方をしている曲もありますが、大抵は自分で選択しなければなりません。そこがまた面白いのです。