◎ 毎日の練習 1

チェロのみならず楽器を演奏する者にとって、日々の練習ほど大切なものはありません。今日は私の練習方法を紹介いたします。

どんな方でも日々の体調は異なるもので、また精神状態も全く違うはずです。
そこで、まず私はその日の体調や精神状態によって、ピッチを変えて練習するようにしています。これは音程感覚(隔たりとしての音程間隔感)を養うためにもとても有効な方法ですので皆さんも是非参考にしてください。
例えば、今日はやる気が起こらないとか、疲れて気力が続かない、等というときは、程度を見て、ピッチを438か435ヘルツに下げます。疲れている時など、高いピッチでチェロの高いポジションなどを弾くのはきついものですね。気力が落ちている時もしんどいものです。ピッチを下げることによって弦のテンションも下がって弾きやすくなるものです。気分も落ち着きます。また音色もまろやかになり耳ざわりも良くなります。場合によっては、思い切って415ヘルツほどまで下げてみます。
415となると440ヘルツからみるとちょうど半音低いことになるので、長年ピアノなどで耳を鍛えられた方は混乱することもありますが慣れれば問題ないでしょう。
反対に元気で今日はやる気がみなぎっているという時は、ピッチを440とか443ヘルツ程度まで上げてみます。チェロの音もきらびやかになるでしょう。

低めでピッチを合わせる場合、大抵のチューナーは438ヘルツまでしか下がらないので、こんな時はコルグのオーケストラチューナー(OT‐120)が重宝します。このチューナーなら3百いくつかまでの低いピッチを計ることができます。なお、私は低めで練習するときは、軽めで柔らかい弓を使って弾くということもあります。いつも張りの強い弓で大音量で弾かなければならないということもないと思います。
そのために日々使う弓は3本あります。

続く