◎ 続き

さて、個人で練習する際、実際にどのように自分のモチベーションを持って行けば良いのか。

例えば、今現在先生からは開放弦の練習ばかりをさせられているとします。そんな時、あなたはどんな気分ですか?

“ああ退屈だ”、と言いたくなるでしょう。
しかし待ってください。本来チェロというのは開放弦の響きが最も美しいのです。
あの宮沢賢治もチェロを練習したことがあります。彼は克明に練習ノートを書いていました。それを見ると彼は開放弦を飽きることなく弾いていたことがわかるそうです。彼が持っていた鈴木製チェロの響きに魅了されたのでしょう。
チェロ特有の倍音の広がりを聞いているだけで時の経つのを忘れてしまいます。得にC線とG線が良く響きますよね。上手く弾ける方も原点に戻って練習してくださいね。

その開放弦にテンポと弓の配分を考え、先生がメロディーを乗せたりすれば、もう立派なデュエットの完成です。

また音階の練習ばかりやらされて、もううんざり、と言うそこの貴方!
例えば、音階の第3音(例えばドレミファソラシドで言えば三番目の音、ミの音です)を少し高く弾いたり、少し低めに弾いたりしてみましょう。それだけで音階の色彩が明るくなったり暗くなったりします。それを試しているだけでも退屈することなど無くなるはずです。

いろいろ申し上げましたが、要するに先生からたとえ退屈な練習課題を強要されたとしても、心の持ち方や工夫次第で練習がどのようにでも楽しいものに変えることができるということをわかってほしいのです。皆さん、音楽は工夫です。もっと楽しみを見つけましょう!

続く