◎ テレビを見ているとレポーターとか司会者が「あなたにとって〇〇とは何ですか?一言でお願いします。」などと聞く場面がよくありますね?
物事などたとえどんな些細な事でもとても一言などで言い表すことなどできないなのに、相も変わらず愚問を繰り返しております。
質問される方はたいてい返答に困って、心にもないこと(多分)を口走ったり、格好つけたり、とにかく意味不明な事を言ったりします。制作側はそれを狙っているのでしょうか。でも、あれを見るのって何を言うのか興味津々で結構面白いですよね!
自分に当てはめても面白いものです。やってみると意外と自分でも忘れていたことに気づくことがあります。自分の人生を顧みることにもなりますものね。
私も自分自身に愚問で問いかけてみたいと思います。
あなた川内昌典にとって音楽は何?。チェロとは何ですか?
はい、音楽は生業です。チェロはそれに使う道具です。
以上!
と、簡単に答えられます。
しかし、ただそれだけでは愛想がないのでもう少し付け加えますと、
生業ということですから、これで日々の糧を得ているわけです。
チェロはそのための道具、当然大切な“物”です。
命と水の次に大切な物と言ってもいいでしょう。
音楽家について。
小学校の卒業文集にも書きましたが、音楽家とはまず私にとって子供のころから憧れていた職業だったということです。
憧れに理由などありません。なぜそれに憧れたのかなど理由がつけられないのが憧れです。中学生の頃、学校の先生から、音楽家?憧れだけで将来を決めてはいかん!もっと現実的になれ、と言われましたが、憧れがないとなにも始まらないじゃないですか。憧れは人生を決める大きな原動力なのです。
私にとって音楽は好きという以前に水や空気と同じもの、なくてはならないもの、生きることそのものでした。
例えば時間の感じ方も、ハンガリー舞曲一曲が5分、モルダウ一曲で10分、運命が30分、第九が頭の中で終わったから1時とちょっと経ったな…など。
頭のなかではいつも名曲が鳴っていました。
それから10年後には実際にプロとして活動し始めたのですから、我ながらよくやったと思います。勿論、親の援助は大きなものでしたが。
子供達へ!
将来なりたい物があれば希望は持つべきですよ!それもできるだけ具体的で鮮烈なイメージを持つべきです。
ただし実現可能なものに限ります。
なりたくても犬や猫にはなれませんよ!
なりたいものがあれば希望は絶対叶います。とにかく強く思うことです。淡い夢なんかではだめです。何歳になれば何々する予定だ、と明確に計画を立てるのです。
私の場合、音楽家という職業はただ憧れというようなあやふやなものではなく将来やるべき“予定”の職業でした。
音楽を生業にし始めた直後から結婚し子供ができ、まさに音楽が生活の糧となったのです。予定通り。
家族のために自分を捧げる。これは男冥利に尽きます!
まあ、強いて一言で言えば、私にとって音楽とは生きる意味そのものだったということです。
ちょっと格好良すぎますかね?
チェロはどうか?
先程も申し上げたように、命の次に大切な物です。身体の一部でもあります。いつもチェロの音が好きでした。
しかし実際の身体は、あちこち故障だらけ。がたがきていますが、私のチェロという身体の一部分はますます元気です。
私の亡き後もだれかの身体の一部となって頑張ってくれるでしょう。
貴方も、〇〇はあなたにとって何ですか?
などと自問自答してみては?
いろいろなことが発見できますよ。
終わり
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