梅雨も真っ盛り。じめじめした日が続いております。
我が愛用のチェロも響きは今一つ。
乾季に比べどうも音が籠ってしまって響きが前に出ません。特にC線の響きはものの見事にダウンします。それではと、より音の輪郭がはっきり出るタングステン巻きの弦を久しぶりにG線とC線に張り替えてみました。メーカーはトマスティーク社。スピロコア ヴォルフラム ミディアムという銘柄。
昔、オーケストラで弾いていた頃は音量を要求されたり音のシャープさを求められたりされましたので、よくこの弦を使っていましたが最近ではほとんど使うことがなかった弦です。
張ってみると梅雨時のせいか音の鮮明さだけが全面に出てしまい、肝心の響きは籠った状態のまま抑えられてしまうのです。結果としてチェロの音は全体的には耳障りでうるさいものになってしまうのです。
やはりタングステンの弦は本来、乾燥した時期のみ、その本領を発揮するのかも知れませんね。
現在、タングステンの弦は大流行。各メーカーからいろんな銘柄が次々と発売されます。世の中、響きの美しさよりも刺激的な強さを求める風潮にあるためでしょう。
しかし皆さん、色々使ってみて最終的に選ぶのは昔から売られている物ではないでしょうか。どうもタングステンの音では精神的に落ち着かない。やはり柔らかさが恋しくなります。昔からあるものはやはりそれなりの良さがあるからでしょう。
私の場合、AとDがヤーガーミディアムかフォルテ、GとCが普通のスピロコア ミディアム、またはコルダやトロ社のガット弦です。
余談ですが、最近発売となった弦には非常に高価な物がありますね。例えばピラストロ社のパーペチュアルという弦(これもCとG線はタングステン巻き)なんかセットでなんと6万円以上しますからね!誰が買うのかな?
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