KIMG0459KIMG0462季節も秋へと進み、過ごしやすくなってまいりました。もうすぐ10月です。
私のチェロも同様の心境なのでしょう。夏ではなかなか聴けない澄んだ響きで歌いだしました。
これから冬にかけて益々空気は乾燥し透明度を増してゆきます。チェロなどの弦楽器にとっては最高の季節です。しかし乾燥は思わぬトラブルを招きます。まず考えられるのはエアコン暖房による乾燥のしすぎ。これは最も気をつけなければなりません。チェロにエアコンの風を直接楽器に当てるのは絶対に避けること。楽器にひび割れを生じさせてしまいます。割れてしまえば修理に手間と金が必要ですし、第一、楽器の価値が下がってしまいますからね。
コンサート会場でも酷く乾燥していることがありますが、そんな時にはダンピット(緑のチューブ)を使いましょう。仕組みはゴムチューブに入った海綿状の物に水を含ませチェロのエフ字孔から楽器の中にぶら下げるようになっています。家庭で弦楽器をケースに保管するときにも効果的です。
 さて、もうひとつのトラブルは乾燥によってペグ(糸巻き)が
止まらなくなること。演奏会の時などほんとに焦りますよね!
こんな時にはペグコンポジション又はペグドロップを使います。特にペグドロップは液体になっていてペグを取り外さず緩めて楽器との隙間に垂らすだけで済むので緊急時での利用価値は高いと思います。小さいので楽器ケースにいつも入れておけば安心です。ただ、ペグドロップは固く止まりすぎる傾向があるため、後でクレヨン状のペグコンポジションを塗って回り具合を調整しておかなければなりません。
このようなちょっとした手間は自分の大切な楽器のためには絶対不可欠。☹️ 普段のケアとして行う習慣を持ちたいものです。
時々、楽器は使いっぱなし、何の手入れもしないという方を見かけますが、 物を大切にするということも上手くなりたければ必要な修行のひとつ。
楽器は演奏家にとって自分の顔と同じなのです。