音程が合わない!

これは弦楽器や管楽器奏者、合唱をやる方々にとっては永遠の悩みの種でしょう。

神経質な人は音程が合わないということだけでストレスになってしまうものです。。

しかし、意外にも問題と感じようとしない人もいます。
それは、この問題に触れるのが怖く、蓋をしてしまっているのかもしれませんね。

または、自分の音程の悪さに気がつかず弾いている。そんなことって結構多いですね!

音程など気にしだしたらきりがなく、それこそ怖くて一音も弾けなくなってしまうと言う人もいると思います。
音楽に独りよがりの面は確かにあります。しかし、ある程度誰もが気持ちの良い、あるいは我慢できる音程で弾くことは大事です。精神的にも大切なことですし地球環境のためにも必要なことです。そして誰にでも簡単に、美しい響きから導き出される出される正しい音程で合奏や合唱を楽しむ事はできると思います。

音程を合わせる。

その方法について基本的な考え方をお話しします。

それは単刀直入に言えば、まず楽器を力任せに弾かない吹かないということ。これだけです。歌であればどら声を張り上げないということ。
たとえば、声を張り上げて怒鳴りながら歌っている子供の歌に音程など感じないでしょう?

単純なことですが、そうなのです。これだけしかありません。

大音量、潰れた音は聴覚を鈍くさせます。弦楽器の場合で言うと、力任せにごしごし弾くこと。つまり、弓を弦に押し付けて力ずくで弾くということ。つまりこれは弦の振動を止めながら弾くということです。考えても効率が悪いですよね? 強く力任せに弾かれた音は上ずって聴こえますし、実際に音は高くなっているものです。潰れた音で自分の音も他人の音程も聴こえなくしてしまいます。

音楽にとって必要な響きとは、楽器や声が自由に無理なく響く音。そして自然であること。
他の人との響きが融合する理想的な響きで演奏すれば、例えば二人であっても一人であっても10人20人で弾いているようにも響きます。響かないホールでも全然問題ありません。よく、ホールに長い残響ばかり求めたり、ホールの響きばかり気にする人がいますが、これはその人が響かせる技術を知らないからです。

では、どのようにすればそのような響かせ方を手に入れることが出来るのか?
それにはまず淡い音が必要不可欠です。淡い音とは決して弱々しい音やかすれた音ではありません。余分な力が抜け、楽器の性能に合った音、自分の力量に合った音であり声のことです。

力任せの弾き方では響きが湯気のように立ち上ることなく、弾くごとに落ちてしまい、あるいは止まってしまい、他とは溶け合うことがないのです。

良く響く音は湯気のよう。
相手の奏者が放つ汚い音や聴く人をも包みこんでしまいます。

良く響いた音は空間に溶け込んでしまうので、ある程度の誤差も修正されて人の耳に届きます。

合奏する人すべてがよく響いた淡い音で演奏すれば、それは強大なパワーとなるでしょう。

良く鳴るオーケストラの演奏はなぜ大きな音として聴こえるのか?

それは、奏者各自が響かせ方をわきまえているからです。お互いの音が融和しているのであり決して力任せで大きな音を出しているわけではないのです。
合った音程は最強のパワーを生み出します。

力任せや押さえつけた音は何物も生み出しません。

音程を合わせようと思えば、各自まず自然な淡い響きを目指しましょう。

では具体的に合奏する時、悪い音程を直すにはどうすれば良いか?技術的に具体的な改善策として考えられることとして前回のブログでも触れましたが、まずオクターブを正確に合わせる。オクターブは淡い響きで弾かないと決して合いません。

その時、力を抜いて淡い響きで合わせた時と力任せに大音量で弾いた時とでは、違って聴こえるはずです。押さえつけ響きが止まった状態で弾けばたとえ音程が合ったとしても合っていないように聴こえるものです。
その面でオクターブを正確に合わそうとすることは淡い理想的な音を知る指針ともなるのです。