“アイデア” 2
バロックや古典の作曲家はただ音符だけであれだけの世界を作り上げた。言葉など必要なかったのです。マジックというか、とにかく凄いアイデアだと思います。
そこで大事なことは、どの時代の作品を演奏する側にしても、まず必要となってくるのは、やはり“アイデア”ではないでしょうか。
とにかくどんなことでもまずやってみる、例え結果が拙くてもまずやってみるのです。それが非常識的であったとしても、やってみなければ分からないことなど沢山あるし、以外な発見もあるもはずです。本当はそうだったのかと、作曲家の心にあるアイデアの中身をそっと垣間見ることが出来るかも知れません。
それには、演奏者も心にアイデアの引き出しを沢山持つこと。皆がこう弾いているからとか、普通はこうやるなどと慣習化された考え方に捕われていれば本当に大切なことは決して見えてこないでしょう。
経験からくるアイデアの引き出しの中身を豊富にするのは、良い教師からレッスンを受け、その力を借りること、また教師と一体になって経験という考え方のアイデアを引き出しに入れていく作業をおこなう。
“全ての曲を教師から習うことはできません”。教師からはアイデアの捻り出し方や引き出しの入れ方を習うのです。
実際の引き出しでは、中がガラクタやゴミだらけだと整理しないといけませんが、心の引き出しが例えどんなにガラクタやゴミだらけだとしても、全く問題ありません。どんなゴミでもいつか役に立つかも知れないのです。そして良い物でも悪い物でもいくらでも入る、という便利さを兼ね備えています。良い先生に習って一つでもいいですから良い物を入れていきましょう。
後、私達がやること、それは努力のみです。